2025/4/9
第59回日本水環境学会年会に参加/水環境分野の幅広い研究成果を発表
水ing株式会社(社長:安田真規、本社:東京都港区)は、2025年3月17日から19日にかけて北海道大学で開催された第59回日本水環境学会年会に参加し、当社が取り組む研究の成果を発表しました。
今回の年会において、当社から23人が参加し、研究発表やセッションの座長、本学会の実行委員としての学会運営協力、さらには学生向け就職説明会など、さまざまな役割で参加しました。

概要
日本水環境学会は、水環境分野の幅広い研究の発展と会員同士の情報交換を促進するため、毎年年会を開催しており、当社も団体会員として積極的に参加しています。
今回の第59回日本水環境学会年会において当社は、6件の研究発表やセッション「排水処理 N₂O対策」の座長を担当するほか、本学会の実行委員として学会運営に協力しました。また、学生たちが将来のキャリアについて具体的なイメージを持ち、興味を深める機会を提供するため、水環境ビジネスガイダンスに参加し、水環境分野の仕事について紹介しました。大学関係者や他企業の研究者とのディスカッションを通じて、多くの気づきを得るとともに、この貴重な機会を通じて当社の技術と知識をさらに深化させることができました。
当社は今後も他企業や研究機関との積極的な交流を通じて、技術力を一層研鑽し、社会へ貢献してまいります。
研究発表内容
口頭およびポスター発表にて6件の研究成果を発表し、現場での技術開発や課題解決に向けた知見を共有しました。
<一般公演発表(口頭発表)>
タイトル | 著者 | 概要 |
---|---|---|
「し尿処理施設における水処理設備および生物脱臭設備の亜酸化窒素の挙動調査」 | ・東京農工大学院工学府 今泉拓士、寺田昭彦 ・水ing Wang Manna、 Kitjanukit Santisak、 新庄尚史、高橋惇太 ・水ing エンジニアリング 松田健 |
し尿処理施設における亜酸化窒素(N₂O)の排出挙動を調査。水処理および脱臭設備の運転条件によってN₂O排出量が変動することを明らかにし、排出抑制に向けた重要な知見を得た。 |
「生物活性剤による排水中の溶解性有機物分解効果の検討」 | ・水ing 古幡真祐子、有田拓矢、 北澤卓也、仲田弘明 |
カルシウム化合物を主成分とする生物活性剤を用いた連続処理試験を通じて、排水中の有機物除去性能を評価。高い除去率と安定した運転性が確認された。 |
「新規担体の嫌気性流動床法適用への基礎的検討」 | ・水ing 有田拓矢、永井綾乃、 高橋惇太、蒲池一将 |
3種の新規担体を用いて、嫌気性流動床法への適用性を比較検討。担体の形状や特性がバイオフィルムの形成や安定性に与える影響を評価し、選定に資する知見を得た。 |
<ポスター発表>
タイトル | 著者 | 概要 |
---|---|---|
「加圧バイオメタネーション実験からの動力学パラメータ算出」 | ・大阪工業大学 川村祐介、古崎康哲 ・水ingエンジニアリング 築井良治、高橋惇太 |
加圧条件下でのメタン発酵挙動を実験的に解析し、反応速度式に基づく動力学パラメータを算出。エネルギー回収型処理技術の高度化に貢献する成果を示した。 |
「貧毛類を導入した接触酸化法による余剰汚泥の減容化の連続実験」 | ・立命館大学 末田大貴、Qian Shuhan、 大谷裕貴、惣田訓 ・水ing 野宮高由、豊島光康 |
貧毛類を導入した接触酸化法により、余剰汚泥の連続的な減容処理を実施。運転条件によって汚泥発生量が大きく抑制されることが確認された。 |
「藻類−細菌グラニュール法を用いた廃水処理における窒素負荷の検討」 | ・東洋大学 荒井奏多、高橋琉弥 ・水ing 古幡真祐子、島村和彰、 Wang Manna ・筑波大学 雷中方、原田、張振亜 ・東洋大学院 清水和哉 |
藻類−細菌グラニュール法による窒素除去性能を評価。窒素濃度の影響による処理性能の変化を明らかにし、高度処理への応用可能性を示した。 |
当日の様子
当日は最新の研究成果や技術が発表され、活発な議論が行われました。




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水ing(すいんぐ)グループについて
水ing(読み:すいんぐ)は、「生命の源である『水』を通じていつまでも社会に貢献し続ける『ing』」を経営理念に掲げ、水処理施設(浄水場、下水処理場、汚泥再生処理センター、し尿処理場、民間施設等)の設計・建設から運営、維持管理までをトータルに手掛けています(運転・維持管理の拠点は、国内約300か所)。地域の暮らしの課題に目を向け、安全安心な水環境を提供し続けるとともに、循環型社会の実現を目指しています。
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