2025/5/8
有田周辺広域圏事務組合クリーンセンター完成披露式で感謝状を授与されました
持続可能な社会に貢献する、次世代の汚泥再生処理センター新設工事竣工
水ing株式会社のグループ会社である水ingエンジニアリング株式会社(社長︓須山晃延、本社︓東京都港区)は、和歌山県有田周辺広域圏事務組合より受託した(仮称)汚泥再生処理施設建設工事が完工し、2025年3月27日に現地にて執り行われた完成披露式で感謝状を授与されたことをお知らせします。

概要
1985年に供用を開始した有田周辺広域圏事務組合クリーンセンターは、和歌山県有田市と有田川町のし尿および浄化槽汚泥(農業集落排水汚泥を含む)を処理する施設です。施設の老朽化や搬入状況の変化などの課題に対応するため、環境省交付金事業として2020年6月に新設工事を受託しました。約5年の工期を経て、2025年3月に引き渡しとなりました。
2025年3月27日に行われた完成披露式には、自治体や組合の関係者、当社代表など約30名が出席しました。式典では、設計と施工を担当した当社の貢献が評価され、管理者より感謝状が授与されました。

新施設の特徴
新施設は、環境への負担を減らし、安全性を高めることを重視しています。また、運営コストを抑え、維持管理作業を効率化するために、シンプルな機器構成とコンパクトな設計を採用しています。
1. 作業効率の向上
当社が開発した汚泥脱水システム「バリュースラッジシステム®」を導入することで、毛髪や紙などのゴミ(し渣)をまとめて脱水できるため、従来の施設で必要だったし渣処理設備も不要となり、機器数と運転コストが削減され、処理効率が向上します。
さらに、軸摺動式スクリュープレス脱水機を採用しているため、スクリュー軸を前後にスライドして動かすことで、低含水率脱水汚泥を強制的に排出できます。これにより、脱水機が詰まることなく、安定した運転が可能となり、作業負担が軽減されます。
2. コスト削減と環境保護の実現
このシステムに採用されている軸摺動式スクリュープレス脱水機で絞られた汚泥は、含水率70%以下の脱水汚泥となります。この脱水汚泥は、外部搬出され、助燃剤として利用されます。これにより、汚泥の焼却処分に必要な設備や燃料が不要となり、コスト削減と環境保護を実現します。
3. 環境負荷低減と施設のコンパクト化
軸摺動式スクリュープレス脱水機を使うことで、汚濁負荷が減るため、後段の生物処理の負担が軽減されます。その結果、大量の希釈水を使う必要がなくなり、生物処理水槽を小さくすることができます。結果的に、施設全体がコンパクトになり、環境への影響も最小限に抑えられます。
4. 災害対策
当施設は災害時に一時避難所として利用できるように設計されています。管理棟には約150人を収容できるスペースがあり、仮設の非常用発電機を備え、停電時に管理部の電気を供給可能です。
5. 地域住民への配慮
当施設は、周辺環境に配慮した設計がなされており、隣接するプール等の利用者との交通事故を未然に防ぎます。また、周辺の農地に農業用水を供給する取水場を併設し、地域の農業活動を支援します。

ご参考
新施設概要
工 事 名 | (仮称)汚泥再生処理施設建設工事 |
施 設 名 | 有田周辺広域圏事務組合 クリーンセンター |
所 在 地 | 和歌山県有田郡有田川町長谷川1552-137 |
処 理 方 式 | 〔資源化方式〕 汚泥助燃剤化方式 バリュースラッジシステム®を採用 〔水処理方式〕 浄化槽汚泥の混入比率の高い脱窒素処理方式 デニライトシステム®を採用 |
処 理 フ ロー | 受入・貯留→資源化→水処理→高度水処理(河川放流) |
処 理 能 力 | (既存施設)84kL/日 (新 施 設)109kL/日(し尿 10kL/日、浄化槽汚泥 99kL/日) |
構 成 市 町 | 有田市・有田川町 |
工 事 期 間 | (着工)2020年6月5日 (稼働開始)2023年9月 (竣工)2025年3月31日 |
当社は、これからも循環型社会の実現に向けて、お客様のニーズに応えるソリューションを提供してまいります。
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水ing(すいんぐ)グループについて
水ing(読み:すいんぐ)は、「生命の源である『水』を通じていつまでも社会に貢献し続ける『ing』」を経営理念に掲げ、水処理施設(浄水場、下水処理場、汚泥再生処理センター、し尿処理場、民間施設等)の設計・建設から運営、維持管理までをトータルに手掛けています(運転・維持管理の拠点は、国内約300か所)。地域の暮らしの課題に目を向け、安全安心な水環境を提供し続けるとともに、循環型社会の実現を目指しています。
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